03 経皮的血管形成術(PTA)
経皮的血管形成術(PTA:Percutaneous Transluminal Angioplasty)は、内シャント血管の狭窄部に、風船(バルーン)のついたカテーテルを挿入し、そこに生理食塩水を注入し膨らませることによって狭窄部を拡張する手術です。大切なシャントを長く保つためには、閉塞や狭窄の早期発見と治療が必要です。PTAは短時間での施術が可能ですので、シャントの作り直しに比べ、身体面の負担が少ない手術です。本院では、患者様のシャント狭窄に対し、血管の専門医による院内でのPTAが可能です。 |
担当医師
・岩嵜 友視 Tomomi IWASAKI
新宿外科クリニック 院長
日本外科学会専門医、日本消化器病学会専門医
・瀬口 龍太 Ryuta SEGUCHI
医療法人社団東京医心会ニューハート・ワタナベ国際病院 心臓血管外科
日本外科学会認定外科専門医、心臓血管外科専門医
日本脈管学会認定脈管専門医、腹部大動脈ステントグラフト指導医
胸部大動脈ステントグラフト実施医、日本循環器学会認定循環器専門医
下肢静脈瘤血管内焼灼術実施医、下肢静脈瘤血管内焼灼術指導医
日本ロボット外科学会 Robo-Doc Pilot (国内B級)
・豊福 崇浩 Takahiro TOYOFUKU
公益財団法人東京都保健医療公社大久保病院 外科
日本外科学会専門医、脈管専門医、心臓血管外科専門医
・長﨑 和仁 Kazuhito NAGASAKI
医療法人社団青泉会下北沢病院 副院長
日本心臓血管外科専門医・修練指導者
Q&A
- Q:手術時間はどれぐらいですか?
- 局所麻酔を行い、30分から1時間程度で終わります。
- Q:痛みはありますか?
- バルーンを膨らます際に痛みはありますが、局所麻酔により痛みを和らげます。違和感、不快感を覚えることもあり、深部では局所麻酔が効きにくいこともあります。
- Q:どのような環境下で行いますか?
- 本院では超音波診断装置を用いてエコーガイド下でPTAを行います。造影剤を用いることなく実施が可能です。
- Q:体への負担は?
- 短時間に治療ができ、皮膚を切らず針での穿刺程度ですので、シャントの作り直しに比べ身体面の負担が少ない手術です。
- Q:狭窄した場合、必ずPTAを行いますか?
- 狭窄の程度によっては経過観察とすることもあります。
- Q:PTAを行った後はもう狭窄は起きませんか?
- 残念ながら、一度狭窄したシャントはPTAを実施しても4~5か月で再狭窄する確率が高くなっています。その場合は再度実施する必要があります。
- Q:PTAができないケースはありますか?
- 石灰化が進行している、拡張してもすぐに再狭窄してしまう、中心静脈の狭窄は本院では難しいため、専門の医療機関をご紹介いたします。
- Q:シャントの血管狭窄はどのように発見されますか?
- シャント音(スリルや拍動)の減弱や範囲の狭小化、脱血不良、高い雑音(高調性雑音)、静脈圧の上昇、検査結果にて透析効率の低下、再循環が確認された場合です。