02 糖尿病・生活習慣病内科
糖尿病、高血圧、高脂血症、健康診断、予防接種、一般内科などについて、ご紹介します。
概要
- 糖尿病外来
- 毎週水・木曜日午前(朝9時~12時半)、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医による診療を行います。 糖尿病がご心配の方、現在糖尿病の治療中でセカンドオピニオンを希望される方もご相談ください。院内にて血糖、HbA1c、尿の検査を行いますので現在の状況をすぐにお知らせすることができます。 動脈硬化の進展予防には、生活習慣病として、糖尿病の他に、高血圧、高脂血症などの総合的管理が大切なため、糖尿病専門医ならびに日本糖尿病療養指導士(看護師・管理栄養士)による専門的加療を行います。 糖尿病外来初診の場合は、お電話にてご予約の上、ご来院ください。 また、下記の動脈硬化の指標となる検査も院内にて行います。(要予約)
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01
- ABI/CAVI(血管伸展性検査)
- 両手・両足の血圧を測定して、血管の詰まり具合や血管の硬さを見る検査です。特に足の動脈硬化病変の検出に優れ、動脈硬化の程度を調べます。
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02
- 頸動脈超音波検査
- 首の血管の血流を調べる検査です。動脈硬化の程度・血管の詰まりの程度を観察します。
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03
- FMD検査(血流依存性血管拡張反応検査)
- 血管内皮機能検査をみる検査です。腕を止血し、その前後の血管径の拡張を超音波でみます。動脈硬化の早期発見や治療効果の判定に有用です。
治療方針
- 糖尿病の治療方針
- 糖尿病の治療とは、ただ単に血糖値の数値に一喜一憂することではなく、合併症の発症や進展を予防し、糖尿病ではない人と同等に健康的な人生を過ごすことが目的です。血糖コントロールはあくまでもその手段の一つに過ぎません。現在のお体の状態、年齢、各々の価値観、ライフスタイルを考慮して、それぞれの個々に応じた治療目標や方法を糖尿病専門医の立場からご提案致します。
- 生活習慣病外来
- 糖尿病、高血圧症、高脂血症、高尿酸血症などの病気は、以前は「成人病」と呼ばれていましたが、昨今のライフスタイルの変化により、成人だけがかかるものではなくなってきました。こうした疾病の発症や進行には、食生活・運動・休養・喫煙・飲酒などの個人の生活習慣(食生活の欧米化や過度の飲酒や食べ過ぎ、喫煙、ストレス、運動不足など)が深く関わってきていることが明らかとなってきたことから、「生活習慣病」という呼び名に変わりました。生活習慣病を放置した状態が長く続くと、狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患や脳梗塞・脳出血などの脳卒中など、生命の危機に瀕する病気やさまざまな合併症を引き起こす危険性が高くなります。生活習慣病は早期に治療を始めることで悪化させずに「元気に長生き」できる病気です。個々により諸検査を行い、その方に適した食事・運動・薬物療法をお勧めいたします。
よくある質問
- Q1.糖尿病は遺伝しますか?
- A1. わが国の大人の糖尿病患者のほとんどは“2型糖尿病”ですが、その発症には遺伝的な因子と生まれてからの環境因子の両方が関与しています。家族や親戚に糖尿病の人がいる場合には、もともとインスリンの分泌が悪い場合が多く、特に過食や肥満、運動不足に注意する必要があります。
- Q2.糖尿病は治りますか?
- A2. 完全に治すことは難しいのですが、早期の診断と治療により正常に近い血糖コントロールを保つことは可能です。正しい知識をもち一生上手に付き合っていくことが大切です。
- Q3.糖尿病の合併症はいつから出現しますか?
- A3. 糖尿病の三大合併症は、神経障害、網膜症、腎症です。血糖コントロールが悪いと、これらの合併症が徐々に進行します。まず、神経障害が出現し、次いで7~8年後に網膜症、15年程度経過すると腎症が現れます。しかし、糖尿病とわかった時点からすみやかに血糖を正常化しておけば、合併症の出現や進行をくいとめることができます。一方、動脈硬化は、糖尿病を発症した時点ですでに出現しているといわれております。血糖以外に血圧、脂質の総合的な管理が大切になります。
- Q4.糖尿病はどのように治療するのですか?
- A4. “2型糖尿病”の場合には、食事療法と運動療法が治療の基本となり、それだけでは十分に血糖コントロールが行えない時に経口血糖降下剤や注射薬が必要になります。しかし、主に若い人に突然発症する“1型糖尿病”の場合は、初めからインスリン注射が必要であり、生涯続けることになります。どのような治療を行うかは一人一人の状況によって異なります。
- Q5.糖尿病はどのように診断するのですか?
- A5. 糖尿病は「血糖値が高い状態が慢性的に続く病気」であり、血糖値で診断されます。糖尿病というと「尿に糖がでる病気」と思ってしまいますが、血糖値が高くても尿糖が出ない場合があるので注意が必要です。糖尿病の診断には血糖値とHbA1c(ブドウ糖と赤血球の中のヘモグロビンが反応してできた物質で、その値は過去1~2ヶ月間の平均の血糖値とよく平行する)を同時に測定します。 また、血糖値のみ高く、糖尿病の典型的な症状(口渇、多飲、多尿、体重減少)や確実な糖尿病網膜症が認められる場合はHbA1cの値によらず糖尿病と診断されます。血糖値はストレスなどで高くなることがあるため、血糖値のみで糖尿病の診断を行うには2回以上調べます。空腹時や食後の血糖検査だけで糖尿病の診断がつかない場合には「経口ブドウ糖負荷試験」を行います。この結果により、「正常型」、「境界型」、「糖尿病型」の3つに分類します。「糖尿病型」は糖尿病の疑いが濃厚であり、別の日にもう一度血糖値やHbA1cの検査をして、これらの基準を超えたら糖尿病と診断されます。「境界型」は糖尿病予備軍ともいわれ、正常型の人に比べると糖尿病を発症する率ははるかに高く、糖尿病への進行過程と考えられています。更に、境界型の人は高血圧、脂質異常症(高脂血症)を持っていることが多く、虚血性心疾患などの動脈硬化性疾患の危険性が高くなります。
- Q6.糖尿病の血糖コントロールは何を指標としていますか?
- A6.平均血糖値を反映する指標として以下のようなものがあります。
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01
- HbA1c
- 採血時から過去1、2ケ月間の平均血糖値を反映し、血糖コントロール状態の最も重要な指標となります。しかし、血糖値の日内変動など細かな変化をとらえきれず、また出血・貧血・肝硬変などの状態では実際の血糖コントロールより低値となる場合があります。
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血糖コントロール目標
[HbA1c(%)]血糖正常化を
目指す際の目標6.0未満 合併症予防の
ための目標7.0未満 治療強化が
困難な際の目標8.0未満 -
※治療目標は年齢、臓器障害、低血糖の危険性、サポート状況など個別によって異なりますので、ご相談ください。
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02
- グリコアルブミン(GA)
- 過去2週間の平均血糖値を反映します。HbA1cは赤血球寿命の短縮や腎性貧血治療のため、実際の血糖コントロール状態より低値となることがあり、日本透析医学会のガイドラインにおいては血液透析患者の血糖管理の指標としてGAを推奨しております。本院における維持透析患者様および進行した貧血を合併した保存期腎不全患者様はGA値と血糖値にて糖尿病の管理を行っております。
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03
- 1,5-AG
- 糖代謝状況の急激な変化を反映して、尿糖の排泄量と相関して低下します。 他の指標とは逆に糖代謝異常が悪化すると低値となります。
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ドクター紹介
- 東 晴名 Haruna AZUMA
- 東京女子医科大学病院 糖尿病・代謝内科
日本糖尿病学会糖尿病専門医
日本内科学会認定医
- 志村 香奈子 Kanako SHIMURA
- 東京女子医科大学病院 糖尿病・代謝内科
日本糖尿病学会糖尿病専門医
日本内科学会総合内科専門医
日本内科学会指導医