第79回 元気で長生き講座(2018年10月号)
~透析歴40年を越える本院超長期透析患者様も透析量が多く、貧血を認めず、アルブミン値が高値です~
先月9月15~16日、埼玉県の情緒あふれる街並みの小江戸川越にあります川越プリンスホテルにて「第24回日本HDF研究会学術集会・総会」http://24hdf.jp/ が開催され、次期大会長の日本大学医学部附属板橋病院腎臓・高血圧・内分泌内科阿部雅紀教授に座長をお務め頂きましたワークショップ9「クエン酸含有無酢酸重炭酸透析液を用いた高血液流量HDF療法」にて、「クエン酸含有無酢酸重炭酸透析液を用いた高血液流量HDF療法」の講演を行いました。HDFは「血液透析濾過」のことで、本院の過半数の方がHDFを行っております。また、同じワークショップで菅沼出身の長野県にございます、須坂腎・透析クリニック http://www.kidney-suzaka.com/ 院長小山貴之先生もご講演され、本院同様全国平均よりも透析量(Kt/V値)が30%以上多く、大変素晴らしいカルシウム(Ca)及びリン(P)コントロールや透析アミロイドーシスの原因物質β2ミクログロブリン(β2MG)値を実現されており、生命予後に関する好成績をご報告なさいました。小山先生はブログにおいても自院の素晴らしい検査結果を公開されておられます。本院の透析歴40年を越える超長期透析患者様はこれまでの唯一の報告に比べ、有意に透析量が多く、ヘモグロビン(Hb)値が高値で貧血を認めず、栄養状態と関連し高い透析患者様ほど長生きされているアルブミン値が高値でありました(表)。その中の本院超長期透析患者様のお一人が、食事を制限するよりもしっかり食べることが長生きの秘訣とお教え下さいました。中等度以上の肥満の方は塩分水分のみならずライス、麺やパン等の炭水化物の制限も望まれますが、「元気で長生き」実現のためにも「しっかり食べて動いてしっかり透析」を引き続きお勧め致します!