第29回ハイパフォーマンスメンブレン研究会のご案内
第29回 ハイパフォーマンス・メンブレン研究会
日時/平成26年3月8日(土)・3月9日(日)
シンポジウム・テーマ
「透析膜の生体適合性を極める」
会費/参加費:10,000円(研究会講演集代金を含む) 懇親会費:1,000円
会場/日本消防会館(ニッショーホール) 東京都港区虎ノ門2丁目9番16号
登録/記名または名刺
問合せ先/ハイパフォーマンス・メンブレン事務局
〒770-8548 徳島市北佐古1番町1-39
社会医療法人 川島会 川島病院内 水口 潤
TEL:088-631-0782 FAX:088-632-6885
ハイパフォーマンスメンブレン研究会のホームページは下記です。
URL: http://www.hpm-net.jp/
今回開催予定の第29回HPM研究会のプログラム及び抄録集は下記です。
http://www.hpm-net.jp/pdf/syouroku29.pdf
腎内科クリニック世田谷からはME(臨床工学技士)松本が土曜のセッション「基礎研究/I-HDF」にて演題名「間歇補充型HDF治療時の使用フィルタのポアサイズ、膜面積の違いが除去性能に及ぼす影響」を発表予定です。先日の東京透析懇談会にて間歇補充型HDF(I-HDF)におけるアルブミン漏出量に関するご質問・ご意見を頂きました。
I-HDFはHDに比べ、アルブミンとα1-ミクログロブリンとの分画分離が良好です!
抄録内容は下記です。何卒宜しくお願い申し上げます。
間歇補充型HDF治療時の使用フィルタのポアサイズ、
膜面積の違いが除去性能に及ぼす影響
(医)菅沼会 腎内科クリニック世田谷 臨床工学部(1 人工透析内科(2
松本 雅美(1 (マツモトマサミ) 斎藤祐太(1 福島裕二(1 阿部達弥(1 種山嗣高(1 菅沼信也(2
【目的】
間歇補充型HDF(以下、I-HDF)の特長は、末梢循環動態改善によるプラズマリフィリング促進と膜性能の経時減少抑制である。特に膜性能の経時減少抑制は膜の違いによって効果も変わることが予測される。HDFフィルタはニプロ社製マキシフラックスを用い、ポアサイズと膜面積の違いが除去性能に及ぼす影響を検討した。比較対象治療条件として同じPES膜を用いたHDモードにおいて同様の除去性能評価を行った。
【方法】
本院維持血液透析患者6名(年齢65.5±21.5歳、透析歴72±48ヶ月)を対象とした。透析時間4時間、血液流量400mL/min、総透析液流量600mL/min、 I-HDFの総補液量 1Lで開始から1時間20mL×5回、残り3時間 20minおきに100mL×9回の補充又は20minおきに100mL×10回の補充を行った。I-HDF時対象フィルタはMFX-21Seco、MFX-21Ueco、MFX-25Ueco、HD時対象ダイアライザはPES-21Sαeco、PES-21Dαeco、PES-25Dαecoとした。除去性能はUN、Cre、P、β2MG、PRL、α1MGの除去率、クリアスペースとAlb漏出量を評価した。
【結果】
I-HDF、HD共に膜面積が同じでポアサイズを拡大したフィルタおよびダイアライザでPRLとα1MGの除去率、クリアスペース、Alb漏出量が有意に高値を示した。ポアサイズが同じで膜面積が大きいダイアライザではHDのみでβ2MG、PRL、α1MGの除去率が有意に高値を示した。Alb漏出1g当たりのα1MG除去量はI-HDFで有意に高値を示した。
【考察】
I-HDFで膜面積が2.1m2と2.5m2のフィルタで除去性能が変わらなかったことから、I-HDFの特長である膜性能の経時減少の抑制に関しては膜面積のより小さいフィルタで有効に働いている可能性が示唆された。また、Albとα1MGの分離能がI-HDFで優れていたことはI-HDFにおける膜性能の経時減少抑制に起因すると考えられる。
【結語】
I-HDF治療時に選択するHDFフィルタの仕様によって除去動態は変化する。