ハイパフォーマンスメンブレン研究会のご案内
今年(2015年)も虎ノ門のニッショーホール(東京都港区虎ノ門2丁目9−16 日本消防会館 2F) にて土曜日曜の二日間開催。
今回本院臨床工学部からも新しいHDF(血液透析濾過)で用いる血液浄化器ヘモダイアフィルタに関する下記演題発表が1日目の土曜にございます。
何卒宜しくお願い申し上げます(^^)/
FIX210Secoを用いた高血流長時間オンラインHDFの除去性能評価
(医)菅沼会 腎内科クリニック世田谷 臨床工学部(1 人工透析内科(2
○山口昌子1) 斉藤祐太1) 種山嗣高1) 阿部達弥1) 正木一郎1) 菅沼信也2)
【目的】
高血流長時間オンラインHDFは通常のオンラインHDFと比較し、除去効率の増大、血圧の安定等さまざまなメリットがある。しかし、オンラインHDFで大量液置換を行うと濾過によりヘモダイアフィルタのファウリングが起こる。すると高血流長時間オンラインHDFを行う上で、治療後半の低分子蛋白の除去効率が期待できないという問題がある。ニプロ社製FIX-Secoシリーズ(ATA膜)は性能経時変化が少ないとの報告がある。この特性は特に高血流長時間オンラインHDFにて有用であると考え、今回従来から使用されているヘモダイアフィルタであるニプロ社製MFX-Secoシリーズ(PES膜)を比較対象とし臨床評価を行う。
【方法】
慢性維持血液透析患者8名を対象とする。年齢63.9±8.9歳、透析歴8.8±10.1年。原疾患DM5名、非DM3名。治療条件は前希釈オンラインHDF、治療時間6hr、QB:316±83mL/min、tQD:600mL/min、QS:214±53mL/minとする。除去性能はUN、Cre、IP、β2MG、α1MGの除去率、1時間ごとの除去量、Alb漏出量、クリアスペースで評価を行う。
【考察】
PES膜は治療開始時に多くのAlb漏出があり、後半にかけてAlb除去量が低下するのに対し、ATA膜は治療開始時から後半にかけてそれほどAlb漏出量の経時変化は少ないと推察される。ATA膜が蛋白付着を抑制させる特徴を持っており、ファウリングが起こりにくいことが示唆される。