第41回 元気で長生き講座(2015年4月号)
~本院の好成績のご案内~
昨年も本院通院透析患者様が増加しついに140名に到達しました。皆様のご支援とご厚情に熱く御礼申上げます。
昨年(2014年)末時点での週3回本院外来維持血液透析中の患者様143名の成績(平均値)をJSDT(日本透析医学会)による全国平均の数値と共にご紹介致します(下記表)。本院は御高齢の方が多く、全国平均に比べ3歳以上平均年齢が高いにも関わらず平均体重が6kgも多い結果でした。透析患者様は栄養状態の良い方が長生きされることが知られており、本院は栄養状態の良い方が多いと考えられます。
透析量増加をもたらす、長時間、高血流、大膜面積の患者様が生命予後良好(長生き)との報告がなされています。本院は透析量に影響する透析時間、透析時血液流量(QB)、血液浄化器(ダイアライザ、ヘモダイアフィルタ)膜面積全ての平均値が全国平均より高く、多い方が長生きと報告(グラフ)されている透析量(single-poolKt/V:spKt/V)が35%以上も多い結果でした。
多い方程長生きと報告(グラフ)されている筋肉量(クレアチニン産生速度:%CGR)は14%以上全国平均より本院は多い結果でした。%CGRは透析患者様の筋肉量を推定する指標であり、JSDTのデータで最も強力な予後予測因子として認められています!spKt/V、%CGR共に本院では透析支援システム内で毎月自動計算されておりますので、御自身の数値につきましてお気軽にお問い合わせ下さい。
数値が低い方程長生きと報告されている透析アミロイドーシスの原因蛋白β2マイクログロブリン(β2MG)値も全国平均31.7に比べ25.7と明らかに低値でした。
62名の75~90歳の御高齢の方においても同様の好成績であり、御高齢でも本院における「しっかり透析」は有効である可能性が考えられます。
以上より、昨年も一昨年に勝るとも劣らない、全国平均よりも良好な生命予後が期待出来ると思われる好成績でした。栄養状態が良く、筋肉量が多く、透析量の多い方が長生きされておられますので、厳しい食事制限と少ない透析量ではなく、今後も「しっかり食べて動いてしっかり透析」を継続して頂き、皆で「元気で長生き」しましょう!