第27回 元気で長生き講座(2014年2月号)
昨年第二透析室がある新棟が完成し、本院通院透析患者様が増加。ついに130名に到達しました。皆様のご支援とご厚情に熱く御礼申し上げます。
腎内科クリニック世田谷患者友の会の先月の新年会にて本院で透析量を増加して頂いた患者様より「腎内科クリニック世田谷に来る前は厳しい食事制限がつらかったが、こちらにきて食事制限が緩やかになり良かった」とのお言葉も頂きました。透析量増加によりカリウム(K)やリン(P)などの食事制限の緩和も可能になります!
昨年(2013年)末時点での週3回本院外来維持血液透析中の患者様129名の成績(平均値)をJSDT(日本透析医学会)による全国平均の数値と共にご紹介致します(下記表)。本院は御高齢の方が多く、全国平均に比べ4歳程平均年齢が高いにも関わらず、平均体重が5kgも多い結果でした。透析患者様は栄養状態の良い方が長生きされることが分かっており、本院は栄養状態の良い方が多いと考えられます。
透析量増加をもたらす、長時間、高血流、大膜面積の患者様が生命予後良好(長生き)との報告がなされています。本院は透析量を規定する透析時間、透析時血流量(QB)、透析器(ダイアライザ)膜面積全ての平均値が全国平均より高く、多い方が長生きと報告されている透析量(single-poolKt/V:spKt/V)が30%以上も多い結果でした。
多い方ほど長生きと報告されている筋肉量(%CGR)に関しては、本院は12%以上全国平均より多い結果でした。数値が低い方ほど長生きと報告されている透析アミロイドーシスの原因蛋白β2マイクログロブリン(β2MG)値も全国平均31.7に比べ25.1 と明らかに低値でした。
56名の75〜90歳の御高齢の方においても同様の好成績であり、御高齢でも本院における「しっかり透析」は有効である可能性が考えられます。栄養状態が良く、筋肉量が多く、透析量の多い方が長生きされる事が分かっていますので、厳しい食事制限と少ない透析量ではなく、今後も「しっかり食べて動いてしっかり透析」を継続して頂き、皆で「元気で長生き」しましょう!