第23回 元気で長生き講座(2013年10月号)
~高血流透析が他院でも勧められていました!~
これまで高血流透析が心臓病や透析中の血圧低下を来すとの報告はない一方で透析時設定血流量(QB)300mL/min以上の高血流の患者様が長生きされている事を述べてまいりました。菅沼同様日本腎臓学会及び日本透析医学会認定専門医の資格を持つ、大学病院や公立病院、医療法人で透析医員、腎臓内科・透析センター長・院長を経て、きたうらクリニック(兵庫県加古川市野口町野口220-1)を開設されている院長先生(北浦圭介先生)のブログ「院長の診療日記」にて透析時のQBについて題名「透析での血液流量をあげていこう」の左記記事をお書きになられていたので、ご紹介します。
透析量を増加させる方法としては、透析の回数を増やしたり時間を延ばしたりすることが時間あたりの除水量を減らすことが出来るので最も良い方法と言えますが、それが難しい場合はQBを増やすことがより長生きを目指す上で有効と考えられます!一方、塩分や水分の取り過ぎにより、ドライウエイト(DW:目標体重・基準体重・至適体重)の6%を超える透析間体重増加は不整脈等の心臓病や透析中の血圧低下を誘発する事が考えられますので、塩分や水分の取り過ぎには十分注意しましょう。
以下、きたうらクリニック「院長の診療日記『透析での血液流量をあげていこう』」より
(http://www.kitauraclinic.jp/blog/2013/01/post-232-587735.html)
血液透析では血液流量の設定が非常に大切になってきます。血液流量200ml/分というのが一般的ですが、最近は血液流量を増やした方がいいという流れになっています。抜きたい尿毒素には小さな物質から大きな物質まであります。小さな物質は血液流量を増やした方がよく抜けます。一方大きな物質は血液流量を増やしてもある程度一定になります。しかしながら最近の透析膜は血液流量をあげるほど小から中分子の尿毒素の抜けがよくなると言われています。低分子蛋白の代表的な物質であるβ2ミクログロブリンも血液流量を増やす方がよく抜けると報告されています。「血液流量をあげると心臓に悪い」と言われていますが、それはありません。透析での血液流量は心臓に関係なく、どちらかというとシャントの血液流量が多いと心臓に負担をかけます。ですから血液流量は心臓や血圧には関係ないので取れるのであればどんどん増やした方がいいでしょう。