第65回 元気で長生き講座(2017年5月号)
~自己管理として日々の体重、血圧及び歩数確認の勧め~
DW(ドライウェイト:透析後目標体重・基準体重・乾燥体重・基礎体重)は災害対策のためにも患者様ご自身が覚えておく必要性を2017年4月23日本院・患者友の会共催勉強会での東日本大震災経験者石田看護師のお話でもご理解頂けたと存じます。日々実践をお勧めする下記透析患者様自己管理12項目のうち、患者様ご自身が日々記録頂くものとしては、1~3の体重・血圧及び歩数をお勧め致します。体重は体重計、血圧は血圧計、歩数は歩数計にて記録可能です。体重の記録により生命予後とも関連する透析間体重増加のコントロールやDWを覚えることにも役立つことでしょう。
体重・血圧とも高すぎても低すぎても問題であります。透析低血圧(透析中の血圧低下)を引き起こす過剰な透析間体重増加や高血圧予防には、塩分水分摂取制限が有効です。長時間透析が高血圧や透析低血圧に対し有効なこともよく知られております。
足の筋力が保たれた血液透析患者様や筋肉量が多い%CGR(クレアチニン産生速度)高値の透析患者様の生命予後良好(長生き)が報告されており、運動(歩行)が推奨されます。
「元気で長生き」実現のためにも自己管理として日々の体重、血圧及び歩数を確認頂き、適切な体重、血圧及びより多くの歩数(運動量)確保を目指して頂きたく存じます!
【透析患者様自己管理12項目】
- 体重 塩分水分摂取制限
- 血圧 塩分水分摂取制限
- 歩数(運動) 高Ca血症予防にもなる
- バスキュラーアクセス シャントは毎朝流れていることを確認
- 禁煙の継続
- P(リン)>6予防 → 基本は透析量の増加とリン吸着薬内服 食事制限するなら加工品や乳製品(高Ca血症予防にもなる)
- 低Alb(アルブミン)血症予防 → 蛋白質(アミノ酸)摂取
- K(カリウム)>6 → 基本は透析量増加 <5 → K摂取
- 鉄欠乏状態(TSAT(鉄飽和率)やフェリチン値低値)予防 → 鉄分摂取
- 低Mg血症予防 → 透析で除去される分Mg(マグネシウム)摂取
- 低Zn血症予防 → Zn(亜鉛)摂取
- 足(下肢)や口腔内の清潔保持(保清)