第66回 元気で長生き講座(2017年6月号)
~長時間透析の効果として、体液量管理が容易、高血圧の改善、十分な毒素除去などによる生命予後改善等の報告がなされています~
「夜間でも在宅でもOK「人工透析」最新事情」が、週刊朝日に掲載されました。既に本院でも実施しております在宅透析(腹膜透析:PD・在宅血液透析:HHD)および4月21日金曜より本院でも開始いたしましたオーバーナイト透析(週刊朝日にて「宿泊型」として紹介されております)について分かりやすく説明されており先月Web上にも公開(https://dot.asahi.com/wa/2017050100070.html)されておりますので、ぜひご覧ください。記事内にてPDを紹介されておられます日本大学医学部附属板橋病院腎臓・高血圧・内分泌内科阿部雅紀教授は糖尿病患者様における血糖コントロール指標として、透析患者様におかれましてはヘモグロビンA1c(ヘモグロビンエイワンシー:HbA1c)よりもGA(グリコアルブミン)値の方が向いていることが多いことをご講演されております。本院では開業時よりこの事実に基づき、貧血の程度が軽度でアルブミン漏出量の多い高性能血液浄化器を用いた大量液置換オンラインHDF実施中の一部の患者様を除き、HbA1cではなくGAを測定しております。記事内にて第13回長時間透析研究会の大会長を務められます東京ネクスト内科・透析クリニック院長の陣内先生が「長時間透析は、体内の尿毒素が多い人に向いています。時間をかければその分、尿毒素が多く排出されるからです。しかもゆっくり排出されるので、からだへの負担も軽減されます」「在宅血液透析の患者さんのなかには、週に6回透析し、富士山に登ったり、マラソンに挑戦したりしている人もいます。血液透析の選択肢はさまざまあるので、自分に合ったものを選び、人生を楽しんでほしい」と述べていらっしゃいます! 患者様もご参加頂ける第13回長時間透析研究会は2017年11月25・26日、再び永田町の都市センターホテルにて開催され、同研究会Webサイト(http://choujikantouseki13th.kenkyuukai.jp/special/?id=21764)での大会長挨拶にて長時間透析の素晴らしい発表(体液量管理が容易、高血圧の改善、十分な毒素除去などによる生命予後改善等)が数々あることを陣内先生がご紹介されておられます! 透析時間延長により体内の水分除去もしやすくなり浮腫(むくみ)や高血圧が改善される方が多くいらっしゃいます。毒素は、透析時間延長により特にリン(P)や長期透析歴の患者様に発症しやすい透析アミロイドーシスの原因であるβ2–マイクログロブリン(β2MG)が除去されやすくなることが報告されております。Pやβ2MG値は特に透析患者様生命予後との関連が強いことが分かっております。
ベッド状況が許す限りご希望にお応えしたいと考えておりますので、1時間あたりの除水量が軽減し透析中の血圧低下や下肢つりも減少し身体に優しい「元気で長生き」につながることが期待出来る、透析時間延長やHHDをご希望される際はご遠慮なくお申し出下さい。