第59回日本透析医学会学術集会・総会のご案内
今回で59回目を数える「日本透析医学会学術集会・総会」では、
“透析療法を再考する”との観点から、テーマを「考える透析」と設定。
透析治療における最新の知見や事例紹介など、特別講演やシンポジウムも含めた
充実のプログラムが予定されています。
腎内科クリニック世田谷では今年は下記2演題の発表を行います。
6月13日金曜 O-375 第20会場(クオリティホテル神戸2Fバレンシア)15:10~15:50
演題名:
間歇補充型HDF治療時のフィルタが除去性能に及ぼす影響
抄録本文:
【目的】
間歇補充型HDF(I-HDF)にてニプロ社製MFXを用いポアサイズと膜面積の違いが除去性能に及ぼす影響を検討した。
【方法】
本院維持血液透析患者6名を対象とし、透析時間4時間,QB400mL/min,QD600mL/min,I-HDFの総補液量 1LとHDで治療を行った。除去性能は除去率,クリアスペース(CS),Alb漏出量を評価した。
【結果】
I-HDF,HD共に同じ膜面積でポアサイズを拡大したフィルタ,ダイアライザでPRLとα1MGの除去率,CS ,Alb漏出量が有意に高値を示し、同じポアサイズで膜面積が大きいHDでβ2MG,PRL,α1MGの除去率が有意に高値を示した。Alb漏出1g当たりのα1MG除去量はI-HDFで有意に高値を示した。
【考察】
I-HDFでは膜面積が2.1m2と2.5m2のフィルタで除去性能に差がないことから、膜性能の経時減少抑制に関しては膜面積のより小さいフィルタで有効に働く可能性が示唆され、Albとα1MGの分離能がI-HDFで優れていたことは膜性能の経時減少抑制に起因すると考えられる。
【結論】
I-HDF時に選択するHDFフィルタの仕様によって除去動態は変化する。
6月14日土曜 O-527 第9会場(神戸ポートピアホテル南館B1Fエメラルド)15:10~15:50
演題名:
高用量エポエチンβペゴル(CERA)からダルベポエチンα(DA)切替えによる有効性の検討
抄録本文:
【目的】
CERA2週に1回を基本とした投与方法の工夫により従来のESA製剤より効率的に貧血管理できることを報告した。しかし、CERA使用例でHb値コントロール難渋例を経験した。今回、高用量CERAからDAに切替え、Hb値コントロール難渋例に対する貧血改善効果の有無を検討した。
【方法】
平成25年8月に150μg/4週以上の高容量CERA使用中の本院外来維持血液透析患者37例を対象にDAに切替え、切替え前後の貧血改善効果を検討した。
【結果】
37例のDA切替え前(CERA使用時)の平均Hb値は9.97g/dLでESA使用量は224.13μg/月であった。CERAからDA切替え後の平均Hb値は10.42g/dLでESA使用量は188.03μg/月で有意(p<0.003)に減少し、月あたり平均投与量は1対0.84の換算比であった。CKD患者における腎性貧血治療のガイドラインに到達していない患者割合もDA切替え後54%から27%に改善した。なお、DAへの切替え後、鉄剤投与量に差はなかったが、フェリチンは低下傾向を示した。
【結論】
高容量CERAからDAへの切替えは有効である可能性が考えられる。
何卒宜しくお願い申し上げます!
今回フォトコンテストで菅沼の「トンビと天竜川」がなんと入選しました(^^)/
6月15日日曜 午前11時より 第一会場(神戸ポートピアホテル ポートピアホール)にて表彰式です!