第42回日本血液浄化技術学会学術大会のご案内
今月2015年4月25日、26日の2日間、御茶ノ水ソラシティ1F、2F カンファレンスセンターにおきまして、臨床工学技士さんを中心とする医療従事者向けの第42回日本血液浄化技術学会 学術大会が開催されます。学会メインテーマは「血液浄化における技術と理論の融合」です。大会Web site上に本院のバナーも設置頂きました。
下記大会メインテーマシンポジウム(SY1)にて「治療法の選択によるアプローチ」の講演依頼を大会長より仰せつかりました。大変光栄な事で、広島で開催された日本医工学治療学会と同様の内容にはなりますが、下記をお話させて頂く予定です。
又、本院臨床工学技士が演題名「FIX210Secoを用いた高血流長時間オンラインHDFのTMPの経時変化」を発表します。
何卒宜しくお願い申し上げます(^^)/
大会メインテーマシンポジウム(SY1)
・4月26日 14:05~15:35 第1会場
・テーマ:「血液浄化における技術と理論の融合 ~至適透析へのアプローチ~」
・司会:政金 生人(矢吹病院)
大澤 貞利 (釧路泌尿器科クリニック)
・講演タイトルと演者
SY1-1「ダイアライザの選択によるアプローチ」
森上 辰哉(元町HDクリニック)
SY1-2「治療法の選択によるアプローチ」
菅沼 信也(腎内科クリニック世田谷)
SY1-3「積極的栄養介入によるアプローチ」
牧尾 健司(三軒医院)
SY1-4「生体適合性という視点からのアプローチ」
小久保 謙一(北里大学)
SY1-5「除水、体液コントロールという視点からのアプローチ」
安藤 勝信(自治医科大学附属さいたま医療センター)
演題名:「治療法の選択によるアプローチ」~高効率無酢酸HDF(溶質除去はO-HDF,栄養状態改善はI-HDF/長時間O-HDF選択)の勧め~
所 属: 医療法人社団菅沼会腎内科クリニック世田谷 人工透析内科
氏 名: 菅沼信也(すがぬま しんや、医師)
HDFによるP低下の報告は海外で多数なされており、アセテートフリーCDDSにおけるHDF(On/Off-line HDF)にて血流量(QB)増加によりPと共にcCa×P積低下を認め報告した。
JMS社製全自動透析装置(GC-110N)にてオンラインHDF(O-HDF)のみならず間歇補充型血液透析濾過(intermittent infusion HDF:I-HDF)が可能である。2013年末本院無酢酸I-HDFとO-HDFを比較したところ, O-HDF群の方が透析歴は長かったが, 75~90歳の高齢者にてβ2MG I-HDF28.6に対し O-HDF群25.2と低い傾向を認めた。
無酢酸血液透析(AF HD)を8.0±4.8M実施後I-HDFに変更した26名, 11.5±8.8M実施後O-HDFに変更した15名を対象にAlb漏出量の多い血液浄化器も用いて後ろ向きに検討した。AF HD 開始後透析時間, 膜面及びQBを有意に増加し, Kt/Vは有意に上昇していた。I-HDF開始半年後,さらに膜面積及びQBを有意に増加し, Kt/Vは有意に上昇(1.89±0.4)したが, 透析時間に差はなかった。O-HDF開始半年後, さらにQBを有意に増加(277±53.0→318±44.8mL/min)したが, QSも有意に増加(166±4.82→179±16.0mL/min)しており, Kt/V(1.64±0.27), 膜面及び透析時間に差はなかった。AF HD開始後, 両群ともAlb及びGNRIに差はなく, DW, BMIはI-HDF群で差がなかったが, O-HDF群で有意に上昇していた。I-HDF開始3ヵ月後, Alb, GNRI, DW及びBMIが有意に上昇していた一方, O-HDF開始半年後, Alb, GNRIが有意に低下し, DW及びBMIに差がなかった。
無酢酸透析実施中、QBを下げずに5→6Hrの長時間透析に変更した5名(男性4名、DM3名、55±7.3歳、透析歴8.4±7.5年)を対象に検討した。4名は無酢酸前希釈大量液置換O-HDF、1名は長時間透析開始に伴い低Ca透析に変更し、2M後にHD→O-HDFに変更した。5→6 Hr透析変更3M後spKt/V、A/V、UN、Cr除去率は有意に増加し、透析後UN、浮腫値(ECW/TBW)は有意に低下し、透析後P値低下傾向、BMI増加傾向を認め、DWに有意差はなかったものの、低Ca透析に変更した1名を除き3Mで約1kg体重増加傾向を認めた。