人工透析・糖尿病専門外来 千歳烏山駅北口

腎内科クリニック世田谷
〒157-0062 東京都世田谷区南烏山4-21-14

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第61回日本透析医学会学術集会・総会のご案内

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透析関連国内最大の学会である第61回日本透析医学会学術集会・総会http://www2.convention.co.jp/61jsdt/ の開催が目前に迫ってきました。

 

本院からも以下の3演題発表がございます。

1. 6月10日(金)16時48分~ 医療安全/対策・体制・取組み

(看護部のポスター発表)

2. 6月11日(土)15時~ 透析液清浄化7(臨床工学部のポスター発表)

6月11日(土)17時~ 一般演題(口演) / 血液浄化法/透析膜 2 では座長を菅沼がさせて頂きます。

3. 6月12日(日)9時半~オンラインHDFの適応疾患を明らかにする

(菅沼口演)

 

今年も抄録集アプリ/WEB抄録検索が公開されています。

とても便利です(^^)。

 

本院発表3演題の抄録は下記です。

参加される全国の透析医療従事者の皆様はじめ、何卒宜しくお願い申し上げます!

 

 

◆ 6月10日(金)

[P-1-219]

2016/06/10 16:48~17:54 大阪国際会議場 デジタルポスター会場 1 Room 1008(10F)

アクシデントレポートからみた本院の傾向と対策~抜針事故予防策の推移~

 

座長:種田 美和 / 医療法人社団大誠会
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演者:小山 千代美 / (医)腎内科クリニック世田谷看護部
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共著者:菅沼 信也 / 腎内科クリニック世田谷人工透析内科
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【目的】透析中の抜針事故は重大な事故であるが完全に無くすことは困難である。そこで2014年4月~2016年3月の2年間に発生したエラーを分析し抜針事故が発生する背景、原因を探り抜針予防策を講じる。

 

【方法】エラーが発生した時点で直ちにレポートを提出し対策を練る。その結果を1ヵ月毎に集計分析し評価を行う。その中で抜針事故に焦点をあて本院での予防策の推移とその結果を報告する。

 

【結果】本院でのエラー発生の特徴は開始時が多く透析中がそれに次ぐ。曜日別では月曜日が最も多く水曜日がそれに次ぎ抜針事故も月水金に多い。これは月水金に体動の激しい患者が多い為と考えられた。そこで2015年8月からテープによるループ固定と回路の肩止めを開始したところ9月から抜針事故は起きていない。

 

【考察】抜針事故防止にはテープによるループ固定と肩止めが有効であると示唆された。

 

【結果】抜針事故を含むあらゆるヒューマンエラーは起こるものと認識し未然に防止する体制作りが重要であると考える。

 

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◆ 6月11日(土)

[P-2-325]

2016/06/11 15:00~16:00 大阪国際会議場 デジタルポスター会場 2 Room 1008(10F)

電解質測定装置メーカが販売する標準液の妥当性評価

 

座長:内野 順司 / みはま病院
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演者:西澤 喬光 / 腎内科クリニック世田谷臨床工学部
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共著者:斎藤 祐太¹、正木 一郎¹、菅沼 信也² / ¹腎内科クリニック世田谷臨床工学部、²腎内科クリニック世田谷人工透析内科
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【目的】血液透析の目的は尿毒症物質の除去、余剰水分の除去、電解質補正であり、透析液は電解質補正の重要な役割を担っている。透析液は医療施設で専用装置を用いた混合使用が前提で、最終濃度管理は医療施設に委ねられる。しかし各施設で電解質測定装置が異なる為に誤差が生じる。そこで今回、本院の濃度管理と標準液測定結果を報告する。

 

【方法】Gastat1820 を用いて完成透析液、透析剤販売メーカより提供された基準液、電解質測定装置メーカが販売している標準液をそれぞれ 10 回連続で測定した。測定結果の平均値、中央値、標準偏差を比較した。

 

【結果】透析剤販売メーカの基準液と測定装置メーカの標準液にNa 1.05mEq/L、K 0.12mEq/L、Cl 0.75mEq/L の差が見られた。

 

【考察】透析液の電解質測定結果は装置によって異なり、透析剤販売メーカが提供する基準液を基にする必要がある。透析液供給装置の電導度と併せて評価し、適正な範囲にある事を日々確認する必要があり、平均値、中央値の推移を観察する事が重要である。
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◆ 6月12日(日)

シンポジウム17 / オンラインHDFの適応疾患を明らかにする

2016/06/12 09:30~11:30 大阪国際会議場 第1会場 大ホール(6F)

[SY-17-5]

高齢者への適応

 

座長:土田 健司 / 川島透析クリニック、深澤 瑞也 / 山梨大学医学部附属病院
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演者:菅沼 信也 / (医)菅沼会腎内科クリニック世田谷人工透析内科
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共著者:阿部 達弥、斉藤 祐太、正木 一郎 / (医)菅沼会腎内科クリニック世田谷臨床工学部
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【背景】高齢者では低栄養と関連する血清アルブミン(Alb)低値が多く、高齢透析導入者での有意なMIS上昇が報告されており、低栄養対策が望まれる。

 

【目的】高齢者へのHDF適応を考察する。

 

【方法】本院での75歳以上の高齢者で無酢酸透析液を用いたHDF実施中もしくは開始し半年以上観察出来た患者を後ろ向きに調査した。

 

【結果】全国のHDFにて75歳以上は23%を占めるのみであるが、2015年末本院on-line HDF(OHDF)にて75歳以上は33%と高率で、I-HDFでの75歳以上は68%と特に高率で、本院高齢者においても過半数でHDFが実施されている。2015年末本院75~90歳におけるOHDF群DW56.8、透析時間4.4、QB283、spKt/V1.9、%CGR118、I-HDF群DW53、透析時間4.5hr、QB323mL/min、spKt/V2.2、%CGR127、と両群とも全国平均より高値であった。2015年末HDFフィルタはATA膜(FIX-S)が約半数を占め、PSやPES膜は比較的Alb漏出の少ない膜が多く、高性能なMFX-U使用者は75歳以上で皆無であった。しかし、前希釈大量液置換OHDF開始群は半年後DW、BMI不変(60.7→60.7、25.1→25.1)だったが有意にAlb が低下(3.7→3.45)し、一方、I-HDF群はAlb不変(3.49→3.54g/dL)だったが有意にDW、BMIが増加(52.4→53.1kg、21.4→21.7)した。

 

【考察】わが国の慢性透析療法の現況によれば、75歳以上でも、短時間透析は生命予後不良であった一方、Kt/V高値で生命予後良好が報告され、透析効率、透析時間は高齢者でも確保が望まれ、さらにHDFも高齢者でも有効な可能性が考えられる。OHDFでPやβ2MG値低下の報告があるものの栄養状態改善効果は否定的な報告も少なくない一方、I-HDFのAlbとα1MGの良好な分離分画特性、高効率I-HDFにおける栄養状態改善の可能性(菅沼 信也.逆濾過無酢酸透析液を利用したJMS社製全自動透析装置による間歇補充型血液透析濾過(I-HDF)の有用性. 鶴屋和彦,満生浩司,升谷耕介,谷口正智 編.全人力・科学力・透析力・for the people 透析医学.大阪:医薬ジャーナル社, 2014; 212-216)が報告されている。

 

【結論】栄養状態を考慮する場合、高齢者においても、OHDFよりもI-HDFを考慮すべきである。