第60回 元気で長生き講座(2016年11月号)
~透析時間延長は貧血を改善し良好な生命予後をもたらすことが考えられます~
本年の長時間透析研究会は北九州にて今月11月5~6日に開催 (http://www2.convention.co.jp/longhd12/index.html)され、患者及びご家族の皆様は無料で御参加頂けます。長時間透析実施で有名な福島の援腎会すずきクリニック及び茨城県立中央病院の協力も得て、演題名「三施設合同貧血関連因子と長時間透析の関係」を発表してまいります。三施設の計266名もの患者様の治療成績調査の結果、透析歴の長い方や高齢の方は、貧血の指標であるHb(ヘモグロビン)あたりの週平均造血ホルモン製剤(ESA)使用量であるESA抵抗性指数:ESA resistance index(ERI)が高く、透析時間が長いとERIが低いことが分かりました。貧血の程度が軽くESA使用量の少ないERI低値の患者様生命予後良好が報告されており、透析時間延長は貧血を改善し良好な生命予後をもたらすことが考えられます。
日本の透析患者様を含む世界的な大規模観察研究DOPPSの結果、透析時間が短い患者様に比べ国内外共に透析時間が長い患者様の方が、貧血の程度が軽く(Table 1.:表1枠線内)、特にJapan(日本)においては透析時間が長い患者様が大変生命予後良好(長生き)(Fig.4:図4)が報告されております!